わたしたちはいつも何かを喪いつづけている。実は喪っていることに気づかずにちいさく緩慢に喪っていることのほうが多い。喪っていることに気づいたとき痛みがもたらされる。喪っていることに気づきながら喪われるときの痛みは大きいけれども、喪われたあとでそれに気づいたときに訪れる痛みはやわらくて、どちらかといえば甘いと思う。懐古?
ネガティブ過ぎるかな。
喪うことは、同時に、もたらされることでもあるだろうか。
喪うとわかっていたら、手を伸ばさないかといったらそうではないだろう。わたしたちが生きるためには。
喪ったからといって、無になるわけではない。
いつも変化の真っ只中に置かれているね。
どうやって自分を幸せにしよう?
そうしてまた少し髪を切った。虫の声がする、夏を待つ。誰かとお祭りに行きたい夜。ただこの美しさに向かう欲望と衝動だけが純粋。
それ以外のすべての不純さを眺めることに明け暮れていたけれど。
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5月のあたしから届いていた手紙を読みました。