どうしようもないままで美しい僕ら

かんがえたことと日々の記録

春、雨

今日は傘を持っていくかいかないか考える時間、だれかのことばに返事を書く時間、買い物リストをつくる時間、土から野菜が育つ時間、こころを遠くの土地へやる時間、いいにおいがする時間、髪の毛をかわかす時間、さくらの花がひらく時間、ちる時間、電車に間に合わなさそうで走る時間、明日の予定をきく時間、電車に乗っていて誰かと目があってしまう時間、

あっというまに通りすぎていくことを、春といっしょに抱きしめていたい。春はまた来て、去っていく、このときに、桜の花びらも散ったあとはすこしも残らないし、いつも違う人のことを考えているならせつなくて、大切に守り育てたものもいつかは遠くへ行ってしまうのならはかなくて、いったいこの愛はどこへいき、そこに何が残るのだろうかと考える。

爪切りを失くした。