1.
ぼくの一部となっているひとたちへ。
ぼくの一部となっているひとというのは、ぼくに何かを与えたひとのこと。
与えることを意図していない、ひとかけらの何かでも、ぼくは受け取っていて、与えられている。
たとえば、ぼくがあなたのことばを読んだり聞いたりしたなら、あなたはぼくの一部になっている。
ぼくはそうやって誰かでできている。
(その誰かがどのくらいの数かはわからない。)
(そしてもちろんぼく自身が最初に在る。)
ぼくの一部となっているあなたへ、
だから、ぼくが生きるということは、あなたを生かすということなんだよ。
ぼくが生きるかぎりあなたが生きるんだよ。
2.
こんなイメージが、電車に乗っていたぼくのもとにふいに降ってきた。
電車の中と、家への帰り道に書いた。
書いていると思い出した、人は二度死ぬ、ということばをどこかできいた。
どこだったっけ、考えはじめて10秒も経たないくらいで思い出した、パーマネント野ばら。
パーマネント野ばらって何って思ったでしょ、すこし前にみた映画のタイトルなんだ。わたしもみる前はなんだそのタイトルと思ったし、そう思ったからみた。
なんて言ってたのか、くわしくはおぼえてないのだけど、一度死んだあと、誰からも忘れられたときにもう一回死ぬ、ということを言っていた。
3.
愛されるべきすべてのやわらかい記憶たちよ。